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Lindsey Sanfordは、パロアルトネットワークスGlobal Employer Brandプログラムでマネージャを務めています。ネバダ州リノに住むLindseyは、ガールスカウト部隊のリーダーを2年務めたことがあります。彼女のガールスカウト部隊はデイジー サイバーセキュリティ バッジを3つすべて獲得し、現在はエンジニアリングとプログラミングのバッジ獲得を目指しています。
60年代半ばから70年代後半にかけ、4,807人の小学生に「科学者」を描かせた実験があります。その子たちが描いた4,807枚の絵のなかで、女性が描かれた枚数は28枚でした。28%ではありません。28枚なのです。つまり、4,807人もの子どもがいて、そのうちたった1%足らず(0.6%)しか、「科学者」を女性として描くことがなかったのです。
2年前、次のガールスカウト会議に持ち出すネタを探しまわっていて、この実験について言及する記事が私のデスクに舞い込んできたときには、この結果にほんとうに愕然とさせられました。私の7歳の娘が将来なりたいものは、それこそライフガードからダンサー、歌手、科学者、エンジニア、バレリーナへとたった1日でころころ変わっているというのに。
うちの娘がじぶんの将来について熱心に考えている様子や、そこでどんな選択肢が与えられているかについて楽観的でいる様子を見ていたら「この研究は今はもう古いんじゃないか?」と思えるようになってきました。そこで私もちょっと実験してみることにしたんです。もちろん、非公式な環境ではありますが、先の実験と同じ指示を自分のガールスカウト部隊の子どもたちに与えてみました。子どもたちには、なにも具体的な指示は与えず、ごくシンプルな指示を与えます。「科学者を描いて」と。 この結果、私の部隊では一人の女の子を除いて全員が、科学者として女性を描いてくれました。
この実験は長年繰り返し行われきた研究でしたが、結局70年代というのがもうかなり昔のことになっており、そこから多くのことが変わってきたのでしょう。そこから女性の権利もずっと進化してきました。これまで以上に多くの女性が学校に通い、学校に戻り、新しいキャリアの道に踏み入るようになったのです。最初の調査以降、2万人以上の子供の絵が分析されていますが、1980年代からは科学者を女性として描く子どもの割合は28%にまで増加しました。
ですが実は、ここにいたってもまだ問題があります。成長するにつれ、女の子たちが科学者を女性として描く割合は減っていくのです。
子供が10歳未満であれば、科学者を女性として描く割合は多いときで70%になることもあります。ところが10歳を過ぎると、75%の子どもたちが科学者を男性として描くようになります。成長するにつれ、女の子たちは「どこからか」メッセージを受け取り、自分たちが受け入れるべき前提や可能性を変化させてしまいます。つまり、過去から大きな進歩はあるものの、まだまだやるべきことは残っているんですね。
そこでいよいよ米国ガールスカウト連盟のような組織の出番、というわけです。ガールスカウトの指導者は、組織との関わりを通じて、女の子たちと共有する新しいカリキュラムを継続的にさがしだし、新しい科学や新しいキャリアパスを紹介しています。
そうしたカリキュラムのなかでも、とりわけ私にとって大切だったもののひとつが、サイバーセキュリティでした。2018年7月、ガールスカウトはパロアルトネットワークスと提携し、グレードK-5の若い女の子たちをサイバーセキュリティに触れ合わせるため、一連のバッジを作成しました。つまり、女の子たちにサイバーセキュリティの概念に触れてもらえるようなカリキュラムを設計し、彼女たちの進捗をはかる9つのバッジを作成して、この複雑な業界を把握しやすいようにしたのです。
先週、パロアルトネットワークスと米国ガールスカウト連盟は、自分探しをする若い女性にとって重要な年齢である6年生から12年生の女の子たちに向け、さらに9つのバッジを発表しました。これらのバッジは、「コンピューター技術はどのように機能しているのか」というしくみを教えることによって、デジタル時代の安全性や保護についての理解を彼女たちにもたらしてくれることでしょう。実世界のハッキングがどんなものかを試しにやってみることで、サイバーセキュリティ業界の人々が毎日直面している世界を彼女たちも垣間見ることができるのです。
この活動は、若い女性にどんどん科学の世界に飛び込んでもらえるよう、あれこれ試した活動のひとつに過ぎませんが、私はこれをとても楽しくやらせてもらっています。