サイバーセキュリティ業界で働く女性たち: リスクをとってチャンスをつかむ

Aug 28, 2019
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本稿は7月31日に公開されたDiversity Unscriptedの投稿内容を日本語化したものです。

 

私のキャリアはいわゆる純粋科学、具体的には化学の業界からスタートしました。でも、夫がテクノロジー業界で働いていたものだから、いつもひたすら仕事の話を聞かされていて。そうやって熱心に話を聞かせてもらっているうち、「自分もテクノロジー業界に向いてるんじゃないか」と思えるようになったんです。テクノロジーについて学ぶのは楽しかったし、「じゃあひとつ化学からコンピュータサイエンスにスイッチして、きちんと教育を受けてキャリアを追求してみようか」と思いました。たまたま自分が住んでいたのがハイテク産業の中心地ベイエリアだったのもよかったですね。

 

ただ、大学を卒業してもどこで働きたいかは固まってませんでした。なんとなく「テクノロジー業界でなにか実践的な仕事をできたらいいなあ」というぐらいで。結局、その後Nortel Networksのテクニカルサポートエンジニアとして働きはじめることになったんですが、当初は今後自分がやっていくべき仕事についてさほど深くは考えていなくて。ただ「リスクをとって新しいことにどんどん挑戦しよう」ぐらいの気持ちでいました。

 

フタを開けてみたら、この「お客様の技術的問題を解決する」というテクノロジー業界の仕事が性に合っていてとにかく楽しかった。そうやって新しいことにどんどん挑戦していくうち、サイバーセキュリティ業界でも指折りのパロアルトネットワークスでシステムエンジニアの職を得られるまでになりました。こうしてサイバーセキュリティ業界に入れるまでになれたのも、もとはといえば「テクノロジーが好き!」という自分の気持ちに正直に向き合って、その道を追い求めたことがよかったのかな、と思います。

 

キャリアのヒント#1自分に限界を課さない。チャンスはあらゆる場所に転がっている。たとえ今は興味がなくとも、新しいタスク、プロジェクト、職種に目を向ける。

 

どんな役割にも、何かしら気づきや学びがありますよね。たとえば、私が最初のテクニカルサポートエンジニア職から得たいちばん大切なスキルは、「お客様がいちばん私たちの支援を必要としているとき、ストレスなくうまく話をすすめること」でした。このサポート経験があったからこそ、粘り強さが身についたし、粘り強さが身についたからこそ、キャリアを前に進めることができた。

 

最初のサポートの仕事の後も、別のハイテク企業のテクニカルサポートセンターで8年ほど似た仕事をしましたね。そのうち、すっかり余裕が出て、自分はほかにどんな仕事ができるかな、と考えるようになりました。

 

そんなとき、新製品のトレーニングコースを受講する機会があって、そのトレーニング講師のひとりが女性のシステムエンジニアだったんです。そのひとを目にして、「私にもシステムエンジニアになる道があるかも」と思いはじめました。そこで、何人かのシステムエンジニアと話をして、求められるスキルを確認してみたんです。そしたら、必要なスキルの一部はすでに満たしていることがわかりました。そこで、継続的に同職の女性たちにアドバイスをもらったんですね。当時、私には「ソフトスキル」がまだあまりついてなかった。要するに、難しいテクノロジーを簡素化することはできるけれど、それを製品や業界について知らない人にわかりやすく伝える能力はまだ十分養えていなかったわけです。ただ、ソフトスキルに自信がなくても、やっぱりこのシステムエンジニアの道にチャレンジしてみたかった。

 

それでうまくいかないことだってあります。でもうまくいかないかも、というだけで、新しいキャリアを見つける気持ちを諦めたくない。やってみてうまくいかなくたって、それはそれでいいんです。そこまでで身につけた知識は自分のものだし、挑戦すれば何かしらそこに学びがあるから。そう考えて、待ち望んだシステムエンジニアリング職の空きが出たとき、すかさず応募してみました。そこからは早いもので、気づけばサイバーセキュリティ業界のトップ企業でシステムエンジニアになっていた、というわけです。

 

新しい職種に挑戦してみる。向いてないな、と思ってもそれはそれ。新しいことや面白そうなことを探しつづけるガッツはぜひ持っていてほしい。一生同じ仕事を続けてろ、なんて言う人は誰もいないですからね。

 

キャリアのヒント#2臆せずチャンスを掴み取ろう。今あるスキルには胸を張り、新しいスキルを進んで学ぼう。自分のキャリアは自分のもので、キャリアをどう積むかは自分の責任。

 

システムエンジニアリングはそれまで経験してきたエンジニアリング職とはずいぶん違うものでしたね。まず営業部門の仕事であるという点からして違います。営業なので潜在顧客に製品を売らないといけませんが、単に「良い製品ですよ」というだけでは不十分で、製品がお客様環境で機能することを示せなければいけません。お客様にとって私たちは、信頼できるアドバイザーなんです。この言葉は業界用語ですけど、私自身は真剣に受け止めています。自社の製品に何ができるのか。自社の製品はお客様のビジネスをどう成功に導けるのか。その方法を示すことでお客様の力になりたいし、自社のソリューションがお客様のセキュリティニーズに応えられるのがとても誇らしい。つまり、この仕事は、技術とセールスの両面をバランスよく併せ持つ仕事なんです。両方とも少しずつできる、というのはすごく楽しいですね。

 

キャリアのヒント#3:製品を知り尽くそう。とことん調べあげてエキスパートになろう。

 

どうせうまくいきっこない、とキャリアのステップアップをしたがらない人は多いですよね。でも私は「恐れるなかれ」といいたい。決まり文句に聞こえるかもしれませんけど「何でも完璧に知ってる人なんていない」からです。自分の隣に座ってる人だって似たようなものかもしれない。でも、知らないことがあってもへっちゃらですよ。知らないことがあって、もっと調査しないとソリューションが提供できないと思ったら、素直にそう言えばいいんです。その判断ができること自体、自信の表れですからね。

 

キャリアのヒント#4:恐れるなかれ。うまくいかなくても大丈夫、世界は終わらない。

 

大学在学中、「10年後はどこそこで働いてる」なんていつも意識したりはしないですよね。たとえば誰かが今から何年も前に「サイバーセキュリティの仕事がしたい?」と聞いてきたとしても当時の私はサイバーセキュリティなんて知らなかったと思います。サイバーセキュリティ業界なんてその頃まだなかったですからね。でも、だからこそ、どんな方向にでも舵を切れるようにしておくのがいい。そして、いちばん大事なのは自分の仕事を楽しいと思えることですね。私には子供が3人いますが、一番上の子はいま16歳で、もうじき大学です。テクノロジー業界は4年後だって今とはガラッと変わっているでしょうけど、ほかの子たちが学校を卒業するころなんて本当にどうなっているか誰にも分からない。だから今、小さな一歩を踏み出して、機が熟したと思ったらジャンプして、進みたいと思った道を進んでほしいですね。

 

もちろん、チャンスがいつも都合よく足元に転がってくるわけではないですから、いつも何かチャンスがないかな、と目を光らせて、機が熟したと思ったら掴み取るようにしないといけません。たとえば今のシステムエンジニアリングの仕事は向こうから転がってきたわけではなく自分で見つけて掴んだんです。

 

キャリアのヒント#5:何にやりがいを感じるかを考え、それを追求しよう。業界はつねに動いている。だから自分も動けるようにしておこう

 

新しいことにチャレンジするのは勇気がいる。でも一人じゃない。やりがいを感じられるキャリアを見つける方法を探しているなら、LinkedInで私にご連絡ください。


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